3章

 普段の仕事に加えてその件の捜査協力までしていたので、セドリックは借りた本(そして、買った同じ本)を結局読み終えることができず、デスクに置いたまま返却期限を迎えた。 もっとも、今は手元に同じ本があるのだから、図書館の本は貸し出し延長をしても…

 セドリックはその本を一週間で半分まで読み、それから同じもの(ただし版は異なる)を購入した。その日彼は、図書館で借りたものと買ったものとを、ベッドサイドでぴったり揃えて重ねてから眠った。  翌日、昼休みに続きを開こうと思って職場に持って行く…

 ルカがセドリックを案内したのは文学の棚だった。利用者は少なくはない。セドリックは少し周りを気にし、ルカに聞いた。「自分で頼んでおいて何なんだけど、司書を独り占めするというのは」「こちらの責任でやっていますから」「なら、いいんだけど……」 …

 セドリックが本を返しに行ったのは、これまでになく人の多い時間帯だった。 週末だからか、玄関にはイーゼルでイベントの告知が立てられていた。ちょうど今は幼児向けの読み聞かせが行われている時間らしい。セドリックは、子ども向けのコーナーを遠目に見…